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紅蓮の月~ゆめや~
第1章 プロローグ
人通りもなく、ひっそりと静まり返っているのが余計にうらぶれた雰囲気を感じさせる。小さなこの町の隣町に数年前、大きなスーパーができた。その影響で客が減り、町がさびれてしまったのかもしれない。
そんなことを考えていると、突如として視界に一軒の店が飛び込んできた。固く戸を閉めている空き店ばかりの中、たった一つだけ開いている店があった。実幸は吸い寄せられるようにその店に近づいた。
かなり古びた建物ではあったけれど、両隣の店がシャッターを降ろしているにも拘わらず、「営業中」とマジックで書かれた小さな紙が表のガラスの引き戸に貼ってあった。その上に木の看板がかかっている。こちらも随分年代物のようで、店の名は長い間の風雪に殆ど消えかかっていた。それでも何とか眼を凝らしてみる。
「ゆめや―?」
そんなことを考えていると、突如として視界に一軒の店が飛び込んできた。固く戸を閉めている空き店ばかりの中、たった一つだけ開いている店があった。実幸は吸い寄せられるようにその店に近づいた。
かなり古びた建物ではあったけれど、両隣の店がシャッターを降ろしているにも拘わらず、「営業中」とマジックで書かれた小さな紙が表のガラスの引き戸に貼ってあった。その上に木の看板がかかっている。こちらも随分年代物のようで、店の名は長い間の風雪に殆ど消えかかっていた。それでも何とか眼を凝らしてみる。
「ゆめや―?」