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紅蓮の月~ゆめや~
第5章 第二話【紅蓮の花】 プロローグ
今日は雨で、部活も休みだ。花凛は軟式庭球部のエースとして活躍している。コートで白球を追っている間は、せめて嫌なことも考えなくて済むから、最近の花凛は益々部活に打ち込んでいた。
気が付けば、花凛は自宅とは真反対の方向に歩いていたようだ。親友の美和子とはいつも校門を出たところで別れるから、花凛は家まで十五分ほどの道程(みちのり)を一人で歩く。
いつしか町外れまで来てしまっていた。蹴りつけた小石はコロコロと転がってゆく。花凛はその行方を眼で追い、ハッとした。
降りしきる雨の中に一軒の小さな建物が佇んでいた。何かの店なのだろうか。随分と時代がかった雰囲気の店屋だ。花凛はふと吸い寄せられるように、そちらに近づいた。雨の中を歩いてゆく中(うち)に、建物の全体が見えてきた。
気が付けば、花凛は自宅とは真反対の方向に歩いていたようだ。親友の美和子とはいつも校門を出たところで別れるから、花凛は家まで十五分ほどの道程(みちのり)を一人で歩く。
いつしか町外れまで来てしまっていた。蹴りつけた小石はコロコロと転がってゆく。花凛はその行方を眼で追い、ハッとした。
降りしきる雨の中に一軒の小さな建物が佇んでいた。何かの店なのだろうか。随分と時代がかった雰囲気の店屋だ。花凛はふと吸い寄せられるように、そちらに近づいた。雨の中を歩いてゆく中(うち)に、建物の全体が見えてきた。