この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
おんな小早川秀秋
第2章 小早川隆景という男
 
 言われてみれば、今日の疑いは、明日嫌でも分かる事だ。わざわざ嘘を吐く理由も、思い当たらない。

「そんな反応をされるなら、今日の内に顔を合わせて正解でしたね。明日初めて会っていたら、どこでぼろが出たか分かりませんから」

「す、すみません……とてもそんな年には見えなかったので、つい」

「いいんですよ。あなたに限らず、初めて会った方には、大体そんな反応をされますから。ところで、あなたの名は? そろそろ教えていただきたいのですが」

「は、はい。私は、羽柴秀俊と――」

 安芸へ向かう道中、山口に口酸っぱく教えられた口上を言おうとしたその時、隆景は首を横に振る。

「いえ、私が聞きたいのは、あなたの真の名です。今日は羽柴秀俊ではなく、あなた自身の事を聞きたいのですよ」

「でも、私自身の事なんて聞いて、どうするんですか? 私がどんな人間かなんて、これからの暮らしには関係ないのでは」

「では、このまま名残惜しむ事もなく、あなたはあなたの名と過去を捨てますか?」

 隆景の言葉に、あきは心臓が跳ねる。自分を捨て、秀俊として生きる――一時的な事とはいえ、それは大きな決断である。その重みを、思い出したのだ。
 
/110ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ