この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
おんな小早川秀秋
第2章 小早川隆景という男
 
「そう……ですか」

「ですから、ただ純粋に父として振る舞うのは、私も初めてです。あなたが私を父と呼べないのも、致し方ないかもしれません」

 己を責める隆景に、慌ててあきは首を振る。隆景が父らしくないなどと、そんな我が儘を思った事は一度もない。本当は秀俊ですらないあきに、心から良くしてくれるのだ。あきの胸に浮かぶのは、感謝のみだった。

 血相を変えて首を振るあきに、隆景は笑い声を漏らす。

「ふふ、いいんですよ。私も少し急かしすぎました。まずは、自然と父と呼べるように、互いを知っていきましょうね」

 隆景はしばらく唸り、悩む。そして手を叩くと、ひらめきの輝きを見せた。

「こんな時は、文が一番です。私が文を書きますから、返事をください」

「ふ、文?」

 思わぬ言葉に、あきは焦燥を覚える。だが何を書こうかと再び考え馳せる隆景は、それを見逃していた。

(どうしよう、私のために考えてくれたんだし、言い出せない)

 半ば放置されて生きてきたあきは、文字の読み書きが出来ない。手紙を渡されても、当然それに反応も返事も出来ないのだ。
 
/110ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ