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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 
 秀俊を殺した者と同じ手を、温かいと思ってしまう矛盾。何をすれば満足し前を向けるのか、あき自身にも分からなかった。

「娘、我が儘を言うものではない。今秀俊様が死んだとなれば、日本中で戦が起こるやもしれぬのだ。そうはなりたくないだろう?」

 そう訊ねられれば、あきは頷くしかない。あきが首を縦に振ったのを見ると、山口は強引に話をまとめた。

「では、伏見に向かうより他はあるまい。支度をするぞ」

 今日ばかりは、あきが不満げにしていても隆景は止めない。結局山口に連れられ、心乱れたまま部屋まで戻されてしまった。

「では、秀俊様。戻るまでに、お着替えを済ませておきましょう」

 あきを戻すと、山口は他の二人や部下達を呼びに一度出ていく。着物だけを残されたあきは、立ち上がり、自分の姿を見てみれば、そこには男になり切れず女でもない自分がいた。

(……人間って、なんなんだろう)

 頭に浮かぶのは、途方もない疑問。着替えはすぐに終わるが、その疑問は山口が部下を連れて戻ってきた後も、あきの中にしつこく残り続けた。
 
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