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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 






 外へ出れば、いつの間にかしとしとと雨が降り始めていた。笠を渡され深く被ると、あきは伏見へと歩き出した。

 あまり明るくしては動きを悟られてしまうため、明かりは最低限しか使えない。加えてぬかるむ地面となれば、歩くには困難だった。

「せっかく久々に官兵衛殿に会えたのに、残念だったなぁ。もう少し話をしたかったんだが」

 濡れる事をあまり気にせず大股で水を跳ねさせ歩くのは、頼勝である。頼勝は如水の親類、おそらくあきの知らぬ所で、如水と再会を喜び合っていたのだろう。

「すいません、私のせいで……」

「え? あ、いや嬢、ああ違った、秀俊様が謝る事じゃあないぜ? そんな落ち込むなよ」

 今は慌てる頼勝を気遣う余裕もなく、あきは俯いて進む。だが突然、正成に腕を取られ止められた。

「失礼、足元に邪魔な小石がございました故」

 辺りに聞こえる声でそう呼び掛けると、次に正成はあきに小声で語る。

「今は、事情を知らぬ部下も共にしています。秀俊様としての振る舞いを、くれぐれもお忘れなきよう」

 そして手を離せば、今度は頼勝に睨みをきかせた。

「そして頼勝殿、主に対し言葉が軽すぎませんか?ご自重ください」
 
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