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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 
「ん、ああ、すまなかった。けど、こんな時こそ、明るく行かなきゃ駄目さ。あんまり眉間に皺寄せてると、暗い顔が刻まれちまうぞ」

 叱られても頼勝はさして気にせず、正成の眉間をつついてからかう。正成がさらに皺を深くすれば、子どものように笑っていた。

「なに、そんなに言うなら、歌でも歌って行くか? 人生五十年、下天のうちを比ぶればー、ってな」

「今は極秘に動いているんです! まったく、大人気ない人だ……」

「人生に余裕のある大人だから、歌えるんだろ? なあ、秀俊様」

 唐突に話が飛んできて、あきは目を丸くする。明らかに落ち込み、誰もが腫れ物を触るかのように接していたというのに、頼勝は空気を読まない。あきは戸惑い、しばらく沈黙した後ようやく答えた。

「今の歌……なんですか?」

「あれ、知らないですか? あれですよ、敦盛。織田信長が、よく舞っていた……そっか、秀俊様はその頃まだ二、三歳くらいですね。見た事も会った事もないですか」

 本物の秀俊も、そこまで昔の話は覚えていないに決まっている。素直に頷けば、頼勝は頭を抱えた。

「これが若者と老人の差ってやつですか! 信長知らないとか、時代は変わったんですなぁ」
 
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