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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 
 だがあきはそれを聞き流し、頼勝に頭を下げる。

「あの、私敦盛、見てみたいです! 京についたら、案内してください!」

「あ、頭下げて頼まなくとも、当主命令とあらば行くぜ!? まったく、秀俊様は腰が低いお方だなぁ」

 周りの目を集めてしまっている事に気付くと、頼勝は慌てて不自然をごまかす。すぐに顔を上げさせると、耳打ちして注意した。

「そんな事で、当主が家臣に頭下げちゃ駄目だよ。俺は年上でも、身分は秀俊様の方が上なんだから」

「あ、ごめんなさい、つい……」

 だがひそひそ話は、遊びの打ち合わせをしているようにも見える。ますます正成が渋い顔をすれば、頼勝は冷や汗をかいた。

「ま、正成殿もそこまで怒らない怒らない。そりゃ質実剛健は大事だが、もうそんなのが流行る時代でもないだろ? 太閤自身が、派手を好み能を舞うんだから」

「武士の心構えは、時代の移り変わりで変わるものではありません」

「真面目だねぇ。さすが稲葉一徹の一族だ」

 頼勝は感心して頷くが、自身を省みる様子はない。変わらず水を跳ねさせて歩く姿に、正成は肩を落とした。

「これは、山口殿が苦労されるな」
 
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