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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 






 あきにとっては、一生縁のない土地だと思っていた京の都。それも武士達が屋敷を構える伏見へ足を運ぶとは、実際その目で街並みを見るまで信じがたかった。

「ここが、京……」

 かつてはここの覇権を巡り争いを繰り返し、血と火が巡った土地。しかし立ち並ぶ立派な屋敷と都会の空気を感じれば、そこから流れるのは気品だった。

 秀俊の屋敷も、他と変わらず豪奢である。所詮身代わりの自分とは育ちが違うな、とあきは痛感しつつ、我が家となるそこへ足を踏み入れた。

「さて、秀俊様」

 腰を据えて、まず口を開いたのは山口だった。

「伏見でも、今までと同じく稽古に励んでいただきます。しかし、拙者は領地の運営もあります故、付きっきりには出来ません。正成、それと一応頼勝も、頼りにしてやってくだされ」

「山口様、あの……元々、秀俊様はこちらで暮らしておられたのですよね? 秀俊様に、親しい友人などは、おられなかったのでしょうか?」

「秀俊様は内向的でしたし、養子の中ではお若い。周りにいるのは歳の離れた大人ばかりで、特に親しい友はいなかったと思います」
 
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