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おんな小早川秀秋
第4章 埋められない差
 
 その後、兄のぎくしゃくした仲は、私があなたと同じ年の頃、小早川家の養子になるまで続きました。

 兄は時折私へ、連歌を作ろうとか絵を描こうとか、共に遊ぼうと誘いに来ました。ですが、兄の遊びはどうにも雅で、野原を駆け回る方が楽しいと感じていた当時の私にとって、魅力的な誘いではありませんでした。これは、主家であった大内家の家風が雅であり、人質だった兄も影響を受けたのだと思います。

 私と元春兄上が共に遊んでいると、たまに木の影から兄が覗いている事もありました。元春兄上がそれに気付いていたかは分かりません。しかし私はそれを見つけても、見ないふりをして駆け回りました。

 自分も混ぜて欲しい、と言いたいのだろうと、幼いながらに私は悟っていました。しかしそれを、煩わしいと思っていたのです。

 なんとなく避けられていると、兄は気付いていたでしょう。その内兄は私と顔を合わせるたびに、寂しそうな笑みを浮かべるようになりました。ですが兄は私を責めるような事は一度もなく、段々と距離を置き始め、最後には最低限顔を合わせ会話するだけの仲へ落ち着きました。
 
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