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おんな小早川秀秋
第5章 石田三成という男
 
 ひとまずあきが口を閉じれば、三成は咳払いして仕切り直す。

「何か勘違いしているようだが、俺は金吾と親しい訳ではない。先程も言ったが、奴は俺を前にすると目を逸らし、いつも逃げだそうとしていたんだぞ」

「しかし……秀俊様が、日常をどう過ごされていたのか、手掛かりがあまりなくて。これでは、小早川家の皆様にご迷惑を掛けてしまいます」

 務めを果たそうと必死なあきに、三成は頭を掻く。そして溜め息を漏らすと、冷たい声で言い放った。

「俺が知っているのは、あくまで俺から見た金吾だけだ。奴が他でどんな振る舞いをしていたかは知らん、責任は持てないぞ」

「え……?」

「俺は忙しいんだ、今日付き合ってやる暇はない。そんなに熱心に知りたいと思うなら、いつ俺が赴いても話が出来るよう、時間を空けておけ」

 三成はそう言うと立ち上がり、先に部屋を出て行ってしまう。あきはしばらく目を丸くしていたが、よくよく言葉を反芻してみれば、それは悪い返事ではないと気付いた。

(忙しいのに、間を縫って来てくれる……の、かな? それならそうと、言ってくれればいいのに)
 
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