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剛 ing 舞依
第11章 舞依と真弥
渡り廊下の柱影に始まり
空き教室から
階段の踊り場や
廊下でも
人気が無いと
剛くんは唇を合わせてくる
もちろん濃厚とはいかず
チューゥッ くらいの軽いキスだけど
背徳感と相まってかなりトロけそうになる

そしてその後決まって
山野がニヤニヤしながら肘を押し付けてくる

どこかで見てるんじゃないかというほど鋭い


どうも原因はやはり
俺…舞依の表情に出てるらしい

ある休み時間
山野と教室を出ようとしたところ
出口で人にぶつかった
『ごめん』
見上げると
ハモった聞き慣れた声の主は
剛くん
「…」
「…舞依、ここじゃマズイよ」
耳元での剛くんの囁きに目を開ける
!!!
条件反射!
習慣とは恐ろしい
人が大勢いる前なのに
剛くんとの距離感でキス体勢になっていた

恥ずかしぃ~
ったく誰のせいだよ~

「見た見た、うっとり乙女の表情」
それ以来
山野は肘グリグリをやめて
目を閉じて唇を突き出す仕草に変わった

モロこっちの顔に出てるんだ…
まったく…
シャイな舞依の身体と
俺の身体でアクティブになった舞依のせいで
俺が恥ずかし思いをするなんて
納得いかね~

納得いかないけど

キスは拒めない

だって心地良いんだもん

背徳感と恥ずかしさが
更にムズムズっとして
心地良さを増してる気がする
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