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剛 ing 舞依
第12章 DON FESTIVAL
「壁ドンかぁ~…昨日のドラマだろ?」
「そうそう、ヒロくんも観たの?」
「いや、妹がね…それで壁ドンに憧れがあるようだったから、やってやったんだけど…膝蹴り喰らわされて『キモイ!』って言われたんだ」
「どうやったんだ?」
「どうって…テレビのように…」
「ちょっと舞依にしてみな」
「舞依さんに?良いのかよ?」
「良いよ、な、舞依?」
ヒロにもされるのか?
まぁ悩んでるようだから力になってやるか
「ああ…さあ来い!」
「行くぞ!…ドン…」
「…」
こりゃダメだ…これじゃ単にからまれてるみたいだ
「そりゃダメだ、そんなに恐い顔で睨んだら~」
「えーっ?テレビもこんな感じだったぞ?」
「違うよ、目を見るんだよ、眉間に皺寄せるな、目をむくな…優しい目で…そうそうそれで相手の目から心を覗くように…何か違うなぁ~」
「わかんねーよ」
「ほら、こう…」
今度は剛くんが壁ドンをしてくる

なるほど、こうやって比べると剛くんのが心地良い
確かに自分でなければ良いのかも…
「う~ん違いがわからん!」
「だいたい兄貴に壁ドンされたら退くわよ」
周りの女子からアドバイスが入る
「そりゃそうだな」
「じゃあ俺がしようか?」
「いや、ハナちゃんはどっちかっていうとタク…ミくんの方が好みでしょ?」
「あれ?舞依さん華を知ってんの?」
「あ、ああ、剛くんに聞いた事ある…ね」
「そ、そうそう…じゃあタクにしてもらおう」
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