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剛 ing 舞依
第7章 舞依inSunshine
もともとあった遊園地の頃から
丘の中腹にある観覧車は人気で
遊園地がなくなっても撤去されずにいた
ショッピングモールができる頃にも
要望があったようで
シンボルタワー的な要素で建て替えられたのだ
丘の東斜面に位置し
夕暮れには夜景と夕陽が同時に見えると
特に若者に人気のスポットになってる
「あ~一日走り回った甲斐があったよ」
土曜日ということもありカップルばかりの列に並ぶ
「どこまで回ったの?」
「最初にここへ来て、運動公園、駅ビル、図書館」
「市内一周じゃない!」
「あはは、よく走ったよ~」
「走って?」
「剛くんの身体凄いね、幾らでも走れちゃう!」
「そんなに走った事無いよ~」
「それでカワイイ舞依と観覧車に乗れるんだ、良い日だよ!」
「…流石は伊澤剛、前向き…」
ゴンドラに乗る順番の頃には
辺りはもう暗くなっていて
ショッピングモールは夜の装いだ
ギシッ
片側に二人座るとゴンドラが傾く
上がるまでなく眼下には
ショッピングモールの明かりが輝き
その先には街の明かりが続く
「キレイねぇ~」
「ホント、キレイだ」
ゴンドラが上がって行くと
視界はどんどん広がって
建物の明かりだけでなく
車のライトや電車の照明が動き
街全体が一つのイルミネーションになっている
しばらく景色に釘付け
!
頂上付近になると急に真っ赤に明るくなる
「舞依、見て」
ゴンドラのてっぺんは
辛うじて丘の頂上の上に出る
と
そこには西の山へ沈みかける夕陽が差し
夜と夕方の狭間という幻想的な景色が現れる
「…」
「…」
ゴンドラが下りに向かうと
幻想風景の余韻を残し
ふっと暗くなる
「…」
剛くんがグッと肩を寄せて
…
暗闇でもわかる
…
顔が近づいてくる
…
不思議と『ヤバイ』というより
『いいや』という感じになって
…
唇が触れる
…
思わず目を閉じる
…
柔らかく
優しく
そして
唇から身体が溶けていく感じがする
…
誰か『とろける~』って言ってたけど
本当だ
…
頭が真っ白になる
…
もうこのまま時間が止まってもいい
…
…
ゴトッ
ゴンドラが揺れる
もうすぐ下に着くのだ
剛くんは名残惜しそうに唇を離した
丘の中腹にある観覧車は人気で
遊園地がなくなっても撤去されずにいた
ショッピングモールができる頃にも
要望があったようで
シンボルタワー的な要素で建て替えられたのだ
丘の東斜面に位置し
夕暮れには夜景と夕陽が同時に見えると
特に若者に人気のスポットになってる
「あ~一日走り回った甲斐があったよ」
土曜日ということもありカップルばかりの列に並ぶ
「どこまで回ったの?」
「最初にここへ来て、運動公園、駅ビル、図書館」
「市内一周じゃない!」
「あはは、よく走ったよ~」
「走って?」
「剛くんの身体凄いね、幾らでも走れちゃう!」
「そんなに走った事無いよ~」
「それでカワイイ舞依と観覧車に乗れるんだ、良い日だよ!」
「…流石は伊澤剛、前向き…」
ゴンドラに乗る順番の頃には
辺りはもう暗くなっていて
ショッピングモールは夜の装いだ
ギシッ
片側に二人座るとゴンドラが傾く
上がるまでなく眼下には
ショッピングモールの明かりが輝き
その先には街の明かりが続く
「キレイねぇ~」
「ホント、キレイだ」
ゴンドラが上がって行くと
視界はどんどん広がって
建物の明かりだけでなく
車のライトや電車の照明が動き
街全体が一つのイルミネーションになっている
しばらく景色に釘付け
!
頂上付近になると急に真っ赤に明るくなる
「舞依、見て」
ゴンドラのてっぺんは
辛うじて丘の頂上の上に出る
と
そこには西の山へ沈みかける夕陽が差し
夜と夕方の狭間という幻想的な景色が現れる
「…」
「…」
ゴンドラが下りに向かうと
幻想風景の余韻を残し
ふっと暗くなる
「…」
剛くんがグッと肩を寄せて
…
暗闇でもわかる
…
顔が近づいてくる
…
不思議と『ヤバイ』というより
『いいや』という感じになって
…
唇が触れる
…
思わず目を閉じる
…
柔らかく
優しく
そして
唇から身体が溶けていく感じがする
…
誰か『とろける~』って言ってたけど
本当だ
…
頭が真っ白になる
…
もうこのまま時間が止まってもいい
…
…
ゴトッ
ゴンドラが揺れる
もうすぐ下に着くのだ
剛くんは名残惜しそうに唇を離した