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永遠の恋
第8章 現実は厳しく…
『………死ねない自分には……意味がある
だから……私は逃げることにしました……
この先の命を……懸けて娘の幸せを護ろうと思うの
だからね全力で取り敢えず逃げる』
「………決めたの?」
その人は頷いた
栞奈は「なら全力で鬼ごっこしてね!絶対に掴まっちゃダメよ!」とエールを贈った
そして静かに栞奈も語った
病気の夫のこと
この先の不安
家族の事……
全部話した
『栞奈さんは強いね』
スケッチブックに書かれた言葉に……
「そんな事ないよ」
『愛する人が生きていてくれたら……それだけでいい
私もそう思うよ……離れて暮らしていても……
愛した人が笑っていてくれたら……それだけで生きていける
そう思えるよ!』
「貴方も強いね」
『強くないよ……必死なだけ……』
「なら私も必死にならなきゃね」
栞奈は笑おうとして失敗した
その瞳から………涙が流れて止まらなかった