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ブルジョアの愛人
第15章 主菜は食前酒のあとに
頭がくらくらする。
のぼせたのではない。刺激的な映像を一時間近く見続けたせいで、体温が上がってしまったのだ。真緒の部屋に戻ってからも、暫くは目眩のようなそれは続いた。
「ごめんね。あいつ、いつもはあんな甘えてこないんだけど」
翔太のことだ。お風呂に入っているときも、べたべたと真緒の身体を触っていた。だが優々にはもはやそんなことはどうでも良かった。
「別に私、気にしてないよ。翔太くん可愛かったし」
どうしても、薄いTシャツの胸元やハーフパンツのつけ根に視線が奪われる。そのせいで、下心を隠すように素っ気ない口調になってしまった。
頬や背中、腕、股間、脚には、風呂場の蒸し暑い空気がまだまとわりついているようである。風呂上がりだというのに、額や脇にはじわりと汗が滲みはじめた。
「ありがとう…」
真緒は少し困ったように微笑んだ。真緒のせいではないのに本当に申し訳なく思っているようで、優々も何と返したら良いのか分からなかったので、取り敢えず頷く。