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ブルジョアの愛人
第15章 主菜は食前酒のあとに

「優々ちゃんは、そういうことに興味ないの?」

真緒は怪訝そうな顔をした。きっとうぶ過ぎる優々の反応から、少し心配になったのだ。

「あ、あるに決まってるじゃん。私、エロ本持ってるし」

「えっ、そうなの!?」

予想外の反応。まさか真緒がこんなに驚くとは思わずスケベ自慢をしてしまったが、大袈裟なぐらいの真緒の表情を見ていたら、急に恥ずかしさが襲ってきた。

「だって…真緒ちゃんもそういうの見るんじゃないの?」

「私はスマホでちょっとエッチな漫画見るぐらいだよ。わざわざお店で買いはしないかな…」

真緒は「信じられない」というような、呆れたような顔をした。好きな人にそんな反応をされたらどんな気持ちになるかは言うまでもない。

「幻滅した?」

呟くような声にふと顔を上げると、優々は傷ついたような表情をしていた。真緒は慌ててかぶりを振る。

「ごめん。そんなんじゃなくて、ちょっとびっくりしただけだよ。優々ちゃん、私よりずっとオトナなんだなぁ、って思って」

言ったあとで少し照れくさそうに、えへへっ、と笑った。
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