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ブルジョアの愛人
第15章 主菜は食前酒のあとに
じゃあ、と言ってから、優々は視線をカーペットに泳がせた。きっと迷っているのだ。
「オナニー…したことある?」
優々はもっと真っ赤になって俯いてしまったが、卑猥な質問――優々が同世代の女の子でなければ完璧なセクシャルハラスメントである――を受けた真緒はきょとんとしていた。まさかこのような質問に慣れているわけではないだろう。
「オナニーって何?」
優々の様子から、それが公の場で口にするのは憚られるような言葉であることは何となく察したが意味は全く分からなかった。
無理もない。ポピュラーな言葉ではあるが、もともとはドイツ語なのだ。語感から意味を考えろと言われたって、正解に辿り着ける少年少女はまずいないだろう。
優々はおもむろに真緒に近づき、部屋には他に誰もいないというのに耳打ちをした。
うぶな小学生の少女には刺激的過ぎるその行為の詳細は、優々の大人っぽい声と熱い吐息で淫靡に語られ、真緒の大きめの耳をくすぐった。体温が上がり、息が荒くなるのが自分でも分かった。