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ブルジョアの愛人
第15章 主菜は食前酒のあとに
真緒は恥ずかしそうに目を瞑って唇を噛み、自ら床に寝転がった。
それに応じるように、優々も真緒の上に跨がる。真緒の胸元で、石鹸の匂いと甘くすえた汗の匂いを嗅いだ。
数ヶ月前まではスポーツブラを着けていた優々は、スポーツブラの"脱ぎ方"は熟知している。
そのため、胸をあらわにするのに右往左往することはないだろうと思いきや、ブラのゴムの部分に指をかけたまま固まってしまった。脱ぐのは慣れていても、脱がせるのは初めてだからである。
取り敢えずブラをずり上げ、乳房と呼ぶのを躊躇ってしまう程脂肪の少ない胸をあらわにした。だが優々は知っている。五分以上この状態でいることがどれだけ苦しいかを。
しかし、この状況で「ブラ外してくれる?」とは言えない。おろおろと目を泳がせていると、真緒が「ちょっと待ってね」と言って起き上がり、Tシャツとブラを脱いだ。
「ごめん…」優々は俯く。真緒の気遣いに安心する反面、心苦しくもあった。
「大丈夫だよ」真緒は微笑む。優々がなぜあのまま事を進めなかったのか分かっていたから。