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ブルジョアの愛人
第21章 友達のままで
憂鬱な九月一日を迎え、運動会も学芸会も終えて冬の足音を聞いたときには既に真緒の引っ越しがほぼ確定していた。
言葉に出さなくても、こうして逢える日が残り少なくなっていくにつれてなぜか焦っているのはお互い感じた。
十一月に入ってからは毎週水曜日に遊ぶようになり、休みの日は二人で買い物に出掛けた。
そして、冬休みにディズニーランドへ行かないかと提案したのは真緒だった。
「保護者なしで、二人だけでデート。ねっ、楽しそうじゃない?」
恋バナをするときのように瞳を輝かせて語った。保護者なしでは危ないのでは、と渋る優々に、そんなことは想定内といった顔で答える。
「日帰りだから大丈夫だよ。電車で行けばここから二時間ちょっとだし。駅まではバスで行けばいいよ」
魅力的な提案だった。大好きな女の子と二人きりで夢の国へ。だがやはり、行く途中やあっちで何かあったら、と思うと怖い。
「うちはいいよって言ってるんだけど、そんなに心配?」
「ねえ真緒」
優々はいいことを思いついた。
「私の叔父さんと叔父さんの彼女も一緒じゃダメかな?」