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ブルジョアの愛人
第21章 友達のままで
叔父達とは駅前のバス停で別れた。ここからは真緒と二人きりになる。
バスが来るまであと二十分以上ある。優々は思い切って切り出すことにした。
「真緒、レズってどう思う?」
「えっ何、急に。どうしたの?」
いきなり変な質問をぶつけるのは優々の十八番だが、今回はさすがに唐突過ぎる。だが真緒も、優々が茶化さないのを見て、本気で悩んでいるのだな、と思った。
「世間からの風当たりはちょっと強すぎると思うな。私自身、結構バイっぽいとこあるからそんな…」
「ほんとに?!」
思わず「バイ」という単語に過剰反応してしまった。真緒も優々の反応にびっくりして言葉を失ったようだ。
「うん…女の子に恋愛感情みたいなの抱いたこともあるし」
「そう、なんだ」
涙が出そうだった。嬉し涙だ。まだ両想いと決まったわけではないのに。
「優々は?」
「私さ、好きな人いるって言ってたじゃん…あれさ」
目もとを拭って真緒を見る。真緒も食い入るように優々を見つめている。きっと女の子なんだな、ということは分かっているようだ。
優々は真緒の肩を掴まえて引き寄せた。二度目の口づけは、去年の初夏と同じぬるい体温で、去年とは違う砂糖の甘い味がした。
優々は舌を入れない。彼女が舌を入れたらそれはOKのサインと受け取る。だがまだ彼女は固まっている。人の目を気にしているのかもしれない。
やがて、彼女の唇が開き、柔らかい舌が侵入してきた。