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ブルジョアの愛人
第21章 友達のままで
帰りの電車での話題は、専ら叔父さんと彼女についてだった。
「いっぱい連絡きてるから何か事故でもあったのかと思いました」
真緒が唇を尖らせながら言うと、二人はなぜか大爆笑だった。
「ごめんね、俺の彼女可愛いから自慢したくなっちゃった」
「ごめんね、この人JSとLINEのID交換したからウハウハなの」
優々は、遊んだあとでもバカップルオーラ全開の二人が羨ましかった。
いつか彼女とこんなふうになれたらいいな、とは思うが、同時になれるはずないよな、とも思ってしまう。
もちろん親友というポストに不満があるわけではないし、彼女がノンケなのも分かっているから、優々が女の子である限りはこれ以上にはなれないとは思う。
だが、優々は自分が言い訳をして逃げているように思うのだ。
――告白したい。
告白したところで付き合えるわけがないし、もしかしたら友達関係も壊れてしまうかもしれない。それが何より怖かった。
しかし考えてみれば、告白して関係が壊れてしまうなんてリスクは誰にだってあるのだ。もちろん、この奇妙な二人にもあっただろう。
でも――だから、告白はできるだけ真緒が引っ越すギリギリにしたかった。