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ブルジョアの愛人
第9章 秘密はご馳走

二人が帰った後で、莉菜はえもいわれぬ虚脱感に襲われた。

二人がいてくれて良かったと思う反面、浩晃のことを誤解されてしまったのが少し悔しくもある。

確かに普通に考えれば、妻子ある男性が小学生と不倫するなんてとんでもないことだ。しかし浩晃は本当に良くしてたし、愛してくれた。あんなに優しい人なのに、目の前の事実だけで悪い人だと決めつけられる。それが莉菜は嫌なのだ。

しかし、冷静に考えればそうなのかな、とも思う。ただ小学生とセックスをしたいから、優しく接する。そして別れを切り出したら――やはりそんなはずはない、と莉菜はかぶりを振った。

昨夜、身体を重ねることを躊躇ったときだって冷静に諭してくれたではないか。本当に悪い人ならば、あの時点でもう終わりだったはず。

莉菜は敷きっぱなしの布団に潜り込んだ。するとなぜかまた涙が溢れた。

言い訳を並べて一旦安心した後で自己嫌悪に至ってしまうのは、莉菜の悪い癖だ。
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