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ブルジョアの愛人
第10章 破滅の理由

村八分にされるのは、これが初めてではない。「生意気だから」とクラス皆が結託し、樹里を無視しようということがここ数年は何度かあった。

しかし樹里が皆に媚びると、皆もクラスの権力者に優しくされたと束の間の優越感に浸り、いつも通り樹里に接するようになる。そして気づけばまた樹里が女王の位に復帰しているのだ。

だから今回も大丈夫だろうとタカを括っていた。だが、今までのそれとは明らかに違う。いくら皆の機嫌を取ろうとしても、相手にされないのだ。

休み時間は当然ひとり。ぽつんと机に座ったままの樹里を、誰もが愉快そうに見ていた。

下っ端が莉菜を"公開処刑"したことか? いや、それが原因ではないだろう。あの時は他のクラスメイトも嬉しそうにしていたし、樹里に出来事を伝えた子もいつも通りの接し方だった。では一体――

ひとつだけ、心当たりがある。だがそれは、樹里が今までずっと目を逸らしてきた、絶対に認めたくないことだ。
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