この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ブルジョアの愛人
第10章 破滅の理由
エンコー――いつの時代でも耳にするその言葉を最初に口にしたのは、いつもペディキュアをつけている玲愛だった。
「ダイジョウブだよ、男性は二十代限定だって。汚いオッサンに処女奪われるワケじゃないし、よくない? ほとんどIT企業か広告代理店に勤めてるらしいから、エリートで金払いもいいってよ」
彼氏がいる愛海らは渋っていたが、樹里にはとても魅力的な提案に思えた。援助交際といえば、派手な格好をした女子高生と脂ぎったオッサンがカラオケかラブホでハメる、という汚ならしいイメージがあった樹里には、お金も貰える上にエリートが大人の女にしてくれるなんて夢のようだった。
それに、実はセックスという行為に憧れを持っていた。愛海は高校生の彼氏としているらしいから、下っ端に先を越された樹里は劣等感を抱いていたのだ。
だから安易にスマホで怪しい出会い系サイトに登録し、あの男に裸を晒してしまった。それが全ての過ちの始まりだった。