この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜色、恋色、ーこいごころー、
第1章 花びら、一枚
抵抗しようとすれば、彼に手首を意図も簡単に捕らわれて痛いくらい握られて、後頭部にまわされた大きな手は私の髪を少し痛いくらいに掴んだ。
無理矢理上を向かされて、止むことのない…キス。
『んっ……んん!!…や、!!』
それでも、"初対面"の人間とこんな事をするのは嫌だった。
なのに…。
啄むキス。彼の唇が離れた瞬間に拒絶の言葉を言おうとして薄く開いた唇、しかしその瞬間を狙われていたかのように、彼は私の口に自分の舌を私の口の中へ。
『ぁ……はぁ、んっ』
(こんな深いの…知らないッ)
私の口から漏れる微かな声に、彼は気を良くしたのかチュッと音をたてて器用に舌を絡めて来る。互いの唾液と吐息が混じ合い、私はいつの間にか翻弄されていた。
苦しくなる呼吸、瞳には滲む涙。
酸素を求める代わりに出るのは、喘ぎにも似た声。
目眩を覚えるくらいの、深く長いキス。
意識を、持っていかれそうになる。
(ダメッ!!…この状況、まずい……)
空いている手で、彼の背中を叩いた。
『っ、……はぁ、はぁ……はぁ』
離れた唇。
私は肺いっぱいに空気を吸い込んだ。
「その顔、そそるね……」
『離せこの変態!!』
見下ろして来る余裕の表情の彼の態度に腹がたった。
平手打ちしてやろうと自由な手を振り上げれば、再び掴まれて私は自由を失った。
壁に手を縫い付けられて、睨んで威嚇することしかできない。
『やだ!!…離してっ!!』
「やだ」
『っ~…!!』
耳にかかる吐息。低い声。
全てが私に快感の波になって襲ってくる。