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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
「キスははじめてだけど、エッチはいっぱいしてるから大丈夫だよ。伽耶が沢山、逝けるように俺がんばる。」

 …そんな告白されても、どう答えていいかわかりません。
 複雑な顔をして、春海を見る。

「…クシュン!」

 思わず、くしゃみが出る。

「伽耶、ごめんね。早く出て、あったかい格好して。」

 なんだかんだ言って、春海は優しい。
 いつだって、私を大切に想ってくれるのがわかる。
 …だから、憎めない。

「…本当にごめん…。」


 浴室を出て、濡れた服を脱いでバスタオルを身体に巻き髪を拭く。部屋までこの状態か…でも、リビングからは見えないし、廊下を走れば部屋はすぐそこ。
 脱衣所のドアを開けようと押したら、同時に開けられバランスを崩す。

「わぁ…っ。」

 目の前の胸に飛び込む。

「伽耶…さん?」

 爽弥君が私を抱きとめ、驚いた顔をする。

「え、あ、ごめんね。」

「…春海とお風呂入ってたの?」

「ち、ちがーう。入ってないから!」

 温かい手が、素肌の肩に触れる。

「…クシュン!」

 また、くしゃみが…。

「早く、服を着ないと。あ、さっきから伽耶さんのケータイ、着信の嵐だけど?」

 そう言って、爽弥君は私のケータイを差し出す。…誰だろう?

『南雲紘』

 あ、先輩からだ。
 着信の履歴が紘先輩で埋まっている。

 完全に忘れていた。明日は、紘先輩と出かけるから、前日の夜に連絡するって約束をしていた。
 爽弥君から離れて、自分の部屋に行く。
 時間は十時前。

『伽耶?』

「あ、紘先輩。すみません、連絡遅くなって。ちょっと、バタバタしていて…。」

『ううん、大丈夫。何かあったかと…心配して、一杯かけちゃった。ごめん。』

 部屋のベッドの上で、髪を乾かしながら話し込む。すると、背後から抱き締められ思わずケータイを落とす。
 肩越しに、爽弥君が耳たぶに唇で甘噛みをする。

「そ、そう…。」

 紘先輩と通話中を思い出し、ケータイを拾う。

『じゃあ、駅に十時待ち合わせで大丈夫?』
 耳から首筋にかけて、キスをされる。
 柔らかな唇と、舌でなぞられ思わず声が漏れる。

「…ぁあっ…。」

『…伽耶?』

「う、うん…じゅ、十時に…。」
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