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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
 前で合わせていたバスタオルをほどかれ、爽弥君の手が胸への愛撫をはじめる。耳元に吐息がかかる。
 一番敏感な胸の先端をいじりだす。

『伽耶…。』

「な、なんですか?…紘、先輩。」

 摘まれ、転がされ眉を寄せ声を出さないよう耐える。
 肩に、背中にキスをされ小さな疼きを覚える。

『…ううん。なんでもない。夜、冷えるから…風邪、ひかないようにな。』

「…は、はい。紘、先輩も…。」

『おやすみ。また、明日。』

「おやすみ、なさい…。」

「紘先輩…て、誰ですか?」

 通話が終わり、背後から爽弥君にケータイを取られる。

「返して。」

「ちゃんと、答えてくれたら返します。」

「会社の先輩。それより、なんで部屋にいるの?」

「ドア全開でベッドの上にそんな格好の伽耶さんがいたら、誰でも襲うでしょう?普通。」

 …普通、なのかな?
 いや。いや。ないでしょう。

「明日、デートなの?」

 胸の愛撫を再開され、身悶える。
 逆らいたいのに、やさしい手の感触や動きに身体をゆだねる。
 心の奥でもっと、触って欲しい。弄って欲しい…と、思ってしまう自分がいる。

「…爽弥君、やめて…。」

「…じゃあ、キスしていい?」

 なんだろう。その究極の選択。
 とりあえず、今の状況を逃れる為にはキスの一つや二つ…。

「やめてくれるなら…いいけど…。」

 そんな風に答えながら、自分に突っ込む。

 私、高校生相手にするほど、飢えてるの?

 爽弥君は私の肩を掴み、唇を寄せる。
 伏せたまつ毛が震える。
 柔らかな唇が開き、舌が差し込まれる。お互いの舌を絡ませ貪欲に求める。
 荒い息の中、視線が合う。

「伽耶さん…好き…。」

 はだけたバスタオルを私の肩にかけ、そっと抱きしめられる。
 その身体の温かさに、ゆったりゆだねる。

「今度、僕とデートしてね。」

 優しく微笑む。

 

 一人になると部屋着に着替えて、ベッドに転がる。
 まだ、三人が来て一日しか経ってないのにこの疲労感…それと、明日のデート。
 たまたま、お互い観たい映画が終了間際だったので紘先輩についで程度に誘われた。
 まぁ、あくまで『ついで』。

 考える事が一杯で、ぐったり。

 イトコ…なのに、こんな事って…。

 そのまま、毛布に包まり目をつぶる。
 眠りの中に静かに落ちて行く。
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