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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
「もし、帰り車が必要なら電話頂戴。迎えに行くから。」

 出版社の駐車場に止め、一緒に待ち合わせ場所に行く。
 朝陽兄さんは私と手をつなぎ歩く。
 …あんなことしても、私は子供扱いなんだ。一人、来る前の事を思い出し顔が赤くなる。

「あ、この駅前で待ち合わせ…。」

「じゃあ、ご挨拶でもしようかな?」
 クスクス、悪戯っ子みたいに笑う。

「伽耶。」

 後ろから名前を呼ばれ、振り向く。
 紘先輩が立っていた。

「おはよう、紘先輩。」

 つながれた手を離そうとしたが、解けない。朝陽兄さんを見ると眼鏡が光っていて表情が読み取れない。

「あ、えっと…。イトコの冷泉院朝陽さんです。で、こちらが私の会社の先輩、南雲紘さんです。」

「あ。はじめまして…え?冷泉院、朝陽?」

 紘先輩は名前を聞いて、固まる。

「よろしく。伽耶のイトコです。」

「も、もしかして小説家の?冷泉院朝陽?す、凄いなぁ。え?本物?本当に?うわぁ〜。あ、最新刊、読ませていただきました。」

 朝陽兄さんは満面の笑顔を向ける。

「伽耶がいつもお世話になっております。私の作品も読んでいただき、ありがとうございます。」

 まるで、保護者のようです朝陽兄さん。
 手を離して、紘先輩と握手する。

「伽耶ちゃん、帰りが遅くなるようなら迎えに行くから。連絡して。」

 身をかがめて、囁く。

「伽耶…伽耶は私の物だからね。」


 朝陽兄さんが去った後、二人で映画館に行く。カウンターで席を取り、時間までフロアでゆっくりする。
 あれからずっと、紘先輩は興奮している。

「伽耶、知らなかったよ。凄いイトコがいたんだね。いやー、本当凄い。」

「う、うん。」

「近くに住んでるの?」

「実家が色々あって、しばらくうちに居候なんです。」

「へぇ…あ、そろそろ席に行こうか。始まるよ。」

 映画は戦場に行く恋人と別離と再会までの人間模様を描いたストーリー。
 後半、主人公が今まで関わった沢山の人との回想シーンが感動でボロボロ大泣き。
 もう公開終了の映画だったので、貸し切り状態。
 エンドロールの中、フッと視線を感じ、紘先輩の方を見る。
 暗闇の中、じっとみつめられどちらからともなく静かに唇を重ねる。
 
 舌がそっと、くちびるをなぞる。
 その舌を受け入れ、絡め、求める。二人の時間がゆっくり流れる。
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