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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
「伽耶さん、夕飯用意できてるよ。」

 朝陽兄さんとの情事後、シャワーを浴びて部屋でボーッとしているとノックと共に爽弥君が声をかけて来た。

「…ありがとう。今、行きます。」

 部屋を出て、居間に行く。
 そこには、朝陽兄さんと春海はいなかった。

「朝陽は残ってる仕事するって。春海は近くにある漫喫。」

 爽弥君に続いて席に着く。

 テーブルには、野菜の沢山入ったカレーとサラダ。あと、具沢山味噌汁。

「…カレーに味噌汁?」

 思わず、笑ってしまった。

「え?普通でしょ?」

「ま、まぁ、家庭によるかな?」

 きっと、志乃おば様は普通に出していたメニューなんだろうな。いけない、笑ったら失礼だよね。
 それぞれの、家庭のルール。家庭の味。

「そっか…。伽耶さんの口に合えばいいけど。」

「ううん。では、いただきます。」

 誰かが作ってくれた料理はお世話抜きで美味しい。
 母は昔から仕事一筋で、父と協力して支えてきた。でも、五年前父は愛人を作り家を出て行ってしまった。
 すれ違いながら、上手くやっていたと思っていたのに。
 そんな、父の得意料理がカレーだった。
 市販のルーでは無く、本格的にスパイスから作るカレー。
 以外と手間がかかるけど、一緒にナンも焼いたりして楽しかったな。
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