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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
「美味しくなかった?」
思い出に浸っていたようで、爽弥君に声をかけられハッとする。
「違う、違う。昔、父が作ってくれたカレーを思い出していたの。爽弥君の作ってくれたカレー、美味しいよ。」
「そっか。それなら良かった。朝陽みたいに料理は得意じゃないから。伽耶さんが喜んでくれたなら、作った甲斐があった。」
爽弥君はニッコリ笑う。
「そうだ、片付け終わったらこの周辺の事、教えてくれる?」
食器を下げ、三人分のコーヒーを淹れる。その間に爽弥君はカレーとサラダを一人分用意して、トレイに載せる。
「これ、朝陽の分ね。仕事で篭ってるから。」
「あ、私持って行こうか?」
「うん。じゃあ、食器洗っちゃう。」
コーヒーもトレイに載せ、運ぶ。
朝陽兄さんの部屋をノックする。
「開いてるよ。」
中に入ると、机に向かって書物をしている朝陽兄さんの後ろ姿があった。
「夕飯、置いておきます。」
声をかけ、ベッド脇のローテーブルに置く。部屋を出ようとドアに行きかけたら、肩を掴まれる。
ドアに身体を押し付けられ、朝陽兄さんの顔が近付く。
「ちょっと、急なエッセイ頼まれてしまってね。大した量じゃないんだけど…もっと、伽耶ちゃんを堪能したかったなぁ。」
「…朝陽兄さん…。あんまり、そういう事言わないで下さい。どう、答えていいかわかりません…。」
頭を撫で、長い指が髪を梳く。
眼鏡を外し、額にキスをする。
「私がいなくても、いい子でね。」
クスクス笑いながら、首元にキスをする。
リビングに戻ると、爽弥君はベランダに出て十五階の風景を眺めていた。
思い出に浸っていたようで、爽弥君に声をかけられハッとする。
「違う、違う。昔、父が作ってくれたカレーを思い出していたの。爽弥君の作ってくれたカレー、美味しいよ。」
「そっか。それなら良かった。朝陽みたいに料理は得意じゃないから。伽耶さんが喜んでくれたなら、作った甲斐があった。」
爽弥君はニッコリ笑う。
「そうだ、片付け終わったらこの周辺の事、教えてくれる?」
食器を下げ、三人分のコーヒーを淹れる。その間に爽弥君はカレーとサラダを一人分用意して、トレイに載せる。
「これ、朝陽の分ね。仕事で篭ってるから。」
「あ、私持って行こうか?」
「うん。じゃあ、食器洗っちゃう。」
コーヒーもトレイに載せ、運ぶ。
朝陽兄さんの部屋をノックする。
「開いてるよ。」
中に入ると、机に向かって書物をしている朝陽兄さんの後ろ姿があった。
「夕飯、置いておきます。」
声をかけ、ベッド脇のローテーブルに置く。部屋を出ようとドアに行きかけたら、肩を掴まれる。
ドアに身体を押し付けられ、朝陽兄さんの顔が近付く。
「ちょっと、急なエッセイ頼まれてしまってね。大した量じゃないんだけど…もっと、伽耶ちゃんを堪能したかったなぁ。」
「…朝陽兄さん…。あんまり、そういう事言わないで下さい。どう、答えていいかわかりません…。」
頭を撫で、長い指が髪を梳く。
眼鏡を外し、額にキスをする。
「私がいなくても、いい子でね。」
クスクス笑いながら、首元にキスをする。
リビングに戻ると、爽弥君はベランダに出て十五階の風景を眺めていた。