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愛する、三人のケダモノ達。
第2章 発情する、ケダモノたち。
「んんっ、くっ…っ。んっ、はぁっ、はぁ…。」

 朝陽兄さんに口を塞がれ、苦しい表情をする。

 ゆっくりと離れ、唾液が口の端を流れる。春海に責められながら、朝陽兄さんと舌を絡め合う。

 自制がきかない。

 抑えられない。

「あっ…っん。春海、春海…っ。い、逝っちゃう…。もう、駄目…っ。」

「俺も、はぁっ…っ。あっあぁっ…っ。逝くっ。」

 春海は身体を大きく震わせる。

 身体の奥から快感が迸り、全身で絶頂を迎える。

 脚の先まで、エクスタシーが行き渡り、頭の中が真っ白になる。

 春海は時々、震えながら私の中に精を放つ。

 最後の一滴まで、溢さぬように身体の奥で受け止める。それは、温かく何故か懐かしい…。

 そのまま、暫く春海に身体を預け、達した余韻に浸る。

「伽耶ちゃん、君は本当にいい子だね。」

 朝陽兄さんは私の頭を撫でる。

 指で私の顔をなぞり、そっと唇に触れる。それが、くすぐったくて、肩を捩る。

「…どうして、朝陽兄さんも春海も爽弥君も私なんか好きになってくれるの?」

 三人なら、もっと相応しい人がいるだろうに。

 私なんて平凡などこにでもいる、OLの一人なのに。

「…なんか、なんて言うな。伽耶、だから好きになったんだ。伽耶、じゃなきゃ駄目なんだ。」

 春海は私を抱き締める腕に、力を込める。痛くはないけど、逃げられない何かに囚われてしまった錯覚に陥る。

「まだ、戸惑う気持ちもわかるよ。でも、少しずつでいいから、受け入れて。私達、三人は伽耶ちゃんを愛してるから。」

 二人の声が優しく響く。

 静かに私に眠りが囁く。

 今はまだ、理解しがたいけれど、いつかわかるときがくるからね。

 それまでは、三人のケダモノに愛されて。伽耶の欲望のままに…。

 私は小さく頷く。

 サラサラと布が擦れる音が、夢を導く。

 




 朝、目を覚ます。

 カーテンの隙間から朝日が差し込む。

 ふっ、と視線を上げると春海が私を腕枕している。そこは、春海の部屋で二人とも裸のままでいた。

 掛布団を掻き寄せ、キョロキョロする。

「…髪、くすぐったい。」

 春海を見ると、目をあけてクスッと笑う。

「ご、ごめんね。」

「いいよ。良く、寝てたな。」

 さりげなく、抱き寄せられ額にキスをする。

「…今日は、一緒に出掛けようか?」
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