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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
 そ、爽弥君の舌打ち。
 掴まれた手が離れる。

「爽弥、こんな所で何してんだ。よぅ、伽耶。久しぶり。今日からよろしく。」

 入ってきたのは、イトコの春海。
 サングラスをズラし、少し日焼けした手で握手を求められる。

「うん、久しぶりだね。こちらこそ、よろしく。もう、仕事終わったの?」

 握手をした手をいきなり引かれ、春海の身体に倒れこむ。

「きゃっ…。」

 背中に手を回し、抱きしめられる。

「伽耶…会いたかった。」

 は、はい?

 髪に顔を埋め、首筋にキスをされる。
 くすぐったくて身をよじる。

「ちょと、ちょと春海。な、な、な。」

 春海の胸に手を当て、距離をとろうとしたけど離れない。力強い抱擁に、顔が赤くなる。

「離れろよ。伽耶さんは僕のモノなんだから。」

 爽弥君が割って入ってくる。

「はぁ?ガキが何言ってんだ?」

「うるさい。どいて。」

 私の手を取り、リビングに向かう。その後を春海がついてき爽弥君の肩を掴む。
 何故か二人の視線がぶつかり、火花が散っている。この状況にウロウロするしかなく、兄弟喧嘩寸前。

 何、この状況。

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