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愛する、三人のケダモノ達。
第1章 三人のケダモノたち。
「少し、話さないかい?伽耶ちゃん。」

 私は朝陽兄さんの隣に座る。
 朝陽兄さんはお茶を飲み、一息つく。

「日向さんはあっちで、ずっと会ってたから顔見知りなんだ。面白い人だよね、日向さん。」

「はい。歳が近いのか、私はとても話しやすかったです。」

「多分、三十くらいだったかな?」

「…朝陽兄さんの小説、いろんな方々に読まれているんですね。私、なかなか読む時間なくて…すみません。」

 何故か急に申し訳なさと、恥ずかしさがこみ上げてくる。
 でも、朝陽兄さんは優しく微笑んで私の頭を撫でてくれる。
 その手がだんだん、下に降り頬をさする。親指で唇を形になぞられ、腰のあたりがゾクゾクしてくる。

「あ、朝陽兄さん…?」

「さっきのセリフ…本気で言ったんだけど。伝わってる?」

「…えっ?」

「…伽耶ちゃんは、誰にもわたさない。」

 ソファに押し倒され、朝陽兄さんを仰ぎ見る。いつ外したか、メガネが無い。素顔の朝陽兄さんは、とてもかっこいいと思う。
 少し大き目の唇が頬に触れる。

「…伽耶ちゃん…。可愛いね。」

 そんな事、誰からも言われたこと無いから恥ずかしくなる。

「…あ、朝陽兄さん…。」

 てか、なんで組み敷かれてるんですか?私は…。

 身をよじって、逃げ出そうとするけど朝陽兄さんはキスの雨を降らせる。首元、鎖骨。ブラウスのボタンを器用に外し、胸元にも唇が触れる。
 朝陽兄さんの吐息を肌に感じる。
 抑え込まれた手首が少し痛い。
 怖くて、目をきつく瞑る。

 ふっ…と、手首が楽になり、両肩を掴まれて上半身を起こされる。
 目の前に朝陽兄さんの顔があるが、まともに見ることができない。

「ごめん、伽耶ちゃん。伽耶ちゃんの反応が可愛すぎて、止まらなくなってしまった。」

「…いえ、あ、あの…。」

 そっと、朝陽兄さんがブラウスのボタンをはめ大きな両手で私の頬を包みこむ。

「確か、三年前だったよね。おおじい様の葬式に本家に来てくれたのは。」

「…はい。」

「久しぶりに見る伽耶ちゃんは、綺麗になっていて目が離せなくなっていた。出版社に用事の時に寄ってみようと思いながら、なかなか行動に移せなくて…。」

 朝陽兄さんがそっと私を抱き寄せる。
 熱い息が耳元に当たる。

「伽耶ちゃんをもっと、もっと…啼かせてみたいな。」
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