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ママと僕のエロティックな事件簿
第3章 ママと僕の誘拐劇篇  第三部 息子の欲望と、事件…
「まぁ、なんであの車、あんな停車をしているのかしら?」
道路を塞ぐような格好で、横付けされたワゴン車。雅子はブレーキを踏まざるを得ない。すると、ずっと追走してきているセダンが追い付き、またしてもマークXの退路を塞ぐように停車した。
「これは何か変だわッ」
雅子の美貌から血の気が失せる。祐太にもただ事でないことは想像がついた。やがて、ワゴン車からも、セダンからもダークスーツの男たちが降り立ち、母子の車を取り囲んだ…。
数分後、ワゴン車の後部座席に座らされた祐太は、隣で手首を縛められその紐尻をドアの上の手すりに結び付けられた義母をみる。無論祐太も同じように拘束されている。
(こういうのを拉致られるっていうんだよな…)
生まれて初めて味わう生命の危機。声を出そうにも粘着テープでその唇を塞がれた祐太には、その恐怖を紛らわすこともできない。だが、その蠱惑的な唇の形が浮き立つほどべったりと粘着テープを貼りつけられた雅子が、いたわるような瞳を向けてくる様が逆に艶めかしく、祐太の胸を妖しく高鳴らせるのだった。
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