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二人の密会
第9章 自覚
「さっきみたいな経験は初めてか?」

「そう…。自分ではどうもできないの。何かに乗っ取られて乗り移られたような……」

「霊的なのか、多重人格とか」

「セックスの時だけ現れる? まさか」

「説明できる項目がないんだな」

「自然になるって初体験だもん」

「分かった。俺も注意しておくよ」

「あのね、嫌になったらはっきり言ってね。音信不通とか無視だけは止めてね」

「そんな心配してるのか?」

「だってさ~、迷惑掛けられないもん」

「介助方法が分かれば大丈夫だ」

「貴方しか知らない事なのよ。きっと他の人なら遠慮するか、最初みたいに逃げるよ」
雌犬を強く抱いて

「俺は大丈夫だ。逃げも隠れもしない。前の時にも言ったろ。必ず傍に居るからって。だから、雌犬は本性を曝け出していいからって」

「ありがと」
抱き締められながら、安心したのか僕の胸で泣いた
普通の主婦が他の男の胸で泣くって余程の事だと思う 

「雌犬を嫌になったらって話、これっきりだ。いいな」

「うん」
泣き止んで元の雌犬に戻った

「始まりは上顎か」

「皆は知らないけど、凄く感じたよ。あそこ責められるの、初めてだったから」

「でもな、出入り禁止だな」

「気持ちいいからいじって欲しい。なったら、必ず戻して欲しい。これが今の私の本音なの」

「了解した」
暫く2人で抱き合って、キスしながら躰を触りあった
雌犬とは躰の関係以外に強く惹かれているって思った
雌犬も同じ想いだと思っている

「この躰、貴方しか感じなくなったから。染まってしまったのよ、貴方色に」

「知ってる」

「とことんまで染めて」
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