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ただ、あなただけに愛を
第1章 ライン
そしてアフターは、分かりやすくラブホテルである。部屋に入ると、ユキはおっとりとした空気を一転させ、峰子をベッドに押し倒した。
「峰子さんが今日僕を選んでくれた事……本当に嬉しいです。最高の誕生日だって言えるよう、頑張ります」
重なるのは、おそらく昨日は別の女を愛した唇。待ちわびた男の声すら聞けず、日付が変わって間もなくホストクラブに飛び込む誕生日が、最高の日の訳がない。だがユキの舌が絡み吐息が交じれば、そんな現実から目が逸らせる。
「ぁ……ん、ユキ……思いっきり、抱いて?」
峰子の望みを、ユキは決して拒否しない。おそらく峰子の誕生日を忘れているであろう彼とは、正反対だった。
ユキの手が首筋を伝うだけで、愛に飢えた体は過敏に反応する。ユキはそこへキスを降らせながら、甘く囁いた。
「いつもより、感じてます……? 峰子さんの肌、触ってると気持ち良い」
「ん……だって、最近してなかったから。この前、ユキと会った時から、ずーっと」
「えっ、じゃあ峰子さん、僕だけで独り占めですか? ああ、だったらもっと連絡すればよかったな。峰子さんなら、毎日抱きたいのに」