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淫風の戦記
第2章 幻覚薬
気が付くと、黒須も全裸になっている。大柄ではないが錬り上げられた肉体から反り返った巨大な肉棒が突き出ている。

「どれ、枇杷殿の格闘技はいかほどでしょうかな」

身構える枇杷。長い時間の相対。太陽が照りつけ微動だにしない全身から汗がにじむ。灰色の下着は汗で濡れ、尻の間に濃い染みを作っている。丸い二つの山の間に細長い湖があるようだ。
胸の谷間を汗が流れる。その滴がへそに辿り着いた時、黒須が獲物に襲い掛かる。
枇杷の体は低い。床を潜るかのように前に出る。掴まっては勝てない。枇杷の狙いは、飛びかかる黒須の攻撃をくぐり抜けて、背後から絞首。

獅子を躱した枇杷は、豹のような身のこなしで反転、体を捩じり背後から黒須の首を取る。自らの力と体重を腕に集中させ、さらに身を捻って首を絞める。枇杷の体は小岩のように丸まり、腕が黒須の首に喰い込む。さすがの黒須もくぐもった声を上げる。完全に決まっている。

「(このまま絞めれば落とせる!)」

あがく黒須。丸まっていた枇杷の両足首を探し出し、掴む。剛腕に掴まれた枇杷の足は、黒須の背を挟んで、前方に引き込まれる。
丸太のような男の裸の背に、下着一枚の枇杷がおぶさる形になる。

「(腕さえ絡めていれば、多少力が弱まっても落とせる)」

体重をかけにくくはなったが、腕は決まったままだ。もがき苦しむ黒須。己の手で絞める腕を外そうとすれば、枇杷の足に逃げられ、再度体重をかけられてしまう。

黒須は腕に力をこめ、枇杷の足を膝から抱え、さらに前方へ引く。枇杷の股間は真横に裂かれ、黒須の背骨に押し付けられる。せっかくの枇杷の美乳も、黒須の背中の圧力に押し潰される。二人の汗が混ざり合い、互いの体温を広範囲で伝え合う。しかし、枇杷の集中は途切れない。暗殺は彼女の技能。研ぎ澄まされている。黒須が咳き込む。勝利は目前。

その時!

黒須の背骨が蛇のように動き出す。

「(あっ!)」

骨蛇。

左右に開かれた枇杷の股間を、ゴツゴツと硬い背骨が這い回る。汗まみれの極薄の下着は骨蛇の攻めの前では全くの無力。剥き出しの割れ目や陰核は女の弱点を主張するだけだった。

腕の力が緩んだ。一度、息を継いだ黒須。枇杷は慌てて力を込め直す。

しかし骨蛇の攻めは続く。自由自在に伸縮し、形を変え、ある塊は陰核を潰し、ある塊は棒状になり侵入を試みる。
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