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淫風の戦記
第2章 幻覚薬
堪らず枇杷が腰を浮かそうとするのを黒須の剛腕が許さない。

灰色の下着は二人の汗を大量に吸って、骨蛇の攻撃と枇杷の防御のやりとりをグチャグチャと音を鳴らして知らせる。

硬い骨蛇が陰核に噛みつき、別の蛇が割れ目を押し上げる。足を閉じたい枇杷。が、彼女の膝は黒須の豪腕にさらに開かれてしまう。

「(まずい…入るっなっ…!)」

腕をほどけば骨蛇からは逃れられる。けれども、そこからの勝算がない枇杷である。

さらに黒須の肩甲骨。新たに二匹の骨蛇が顔を出した。二匹は細い舌を伸ばし、黒須と枇杷の肌の間に割り入れ、乳首を探し出す。

骨の硬さなのに、チロチロ…チロリ…キュッ…。

舌先の魔術。敏感な乳首の、さらに敏感な一点を正確に探し当てる。嘗め、つつき、縛り上げる。

「っ!…んっ…くうっ!(やめなさいっ!)」

堪える枇杷。いま、枇杷の体は数匹の骨蛇に絡みつかれ弄ばれている。

乳首、陰核が攻められ、筋肉が弛緩する。
その間隙。割れ目が押し拡げられる。

「あっ!!!」

その感覚。全身を駆け巡る波紋。
体内への侵入を許し焦る枇杷。

「ふっ!くぅっ!!!(ダメ!耐えないと!)」

対照的に蛇たちの舞は余裕に満ちている。冷静に的確に枇杷に快感を与えていく。

「…あっんっ!!!(しまった!)」

自分の声に顔を赤らめる。
聞こえたのは蛇も同じだ。彼らは自信を持って蠢き、侵入した一匹はついに子宮に至った。頭を叩きつけ、舌を出して周囲を舐め回す。

「あっ!…んっくっ!あっああぁぁっ!!(ダメ!耐えて!ダメぇ!…)」


ついに力を失い、ずるりと黒須の背から滑り落ちた枇杷。
胸や腹には、汗が油のように光り、下着は水に飛び込んだような有り様だ。

しかし、よく見れば黒須の体には何の異変もない。

「はぁ…はぁ…(……なんだったのだ?)」

呼吸を整える時間を与えず黒須が迫る。
抵抗。しかしもう、情けなく、腰が砕けている枇杷であった。

捉えられる枇杷。甲板の上、両腕を掴まれ大の字に倒される。
黒須の勝利だ。
永遠に離さないと宣言する豪腕に細い手首が掴まれている。汗まみれの二人の体が重なる。今度は腹と腹、胸と胸。下着は?枇杷の秘所を守っていた薄布はどこかに消えていた。
そして、黒く茂った枇杷の森の中、剛直の大蛇が行進を始めた。森の住人に、支配者は自分であると伝えながらの行進。
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