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淫風の戦記
第2章 幻覚薬
やがて洞窟の前で大蛇は進行を止める。洞窟の入り口は骨蛇の攻めにより十分に濡れている大蛇の低い声が森に響く。

「やがて洞窟の奥底から、我を招く声が聞こえるであろう」

枇杷の唇を黒須が奪う。

「んむっ!チュク…ジュル…チュ!…んはっうっ!」

枇杷の口の中、二本の舌が複雑にうごめく。
舌が舌を押し返そうとする。押し合い、擦れ、逃げ、追い、捕まる。

「チュパッ…クチュッ…はぁぁ!…んむっ!んんん!…」

黒須の舌が枇杷の口から出て移動を開始する。
唇から顎、首筋をなめながらお椀の頂に到着する。絡め取るように、乳首を引っ張り弾く。

「あっ!…くっ…んうっ…!くぁっ!…あんっ!」

枇杷の腰が浮く。

「え!?」

待機している黒須の肉棒を迎えにいくような動きである。
すぐに腰を引く。
その時、黒須が乳首を吸引する。乳首が激しく痺れる。

「あっ!っんっっ!」

またもや腰を突き出す枇杷。

「(私はほしがっているのか…)」

黒須の口が乳首から離れる。

「ほしいようですな」
「……そんなこと…」
「…あなたは自分を打ち負かす強い男に犯されたいと思っていたでしょう?」

骨蛇の攻めから長い時間耐えてきた枇杷の中で何かが壊れる音がした。
その通りだ。強く逞しい男と戦い、破れ、尊敬し敬愛し、抱かれる。枇杷の自慰はいつもそれであった。でも、それは黒須なのか?こういうことなのか?
枇杷は混乱する。

問いを投げておきながら黒須は再び乳首に吸い付く。先程より歯を立て、乳房が歪むほどに力を加える。

「あっ!痛っいっ!やめてぇっ!」

女らしい悲鳴をあげた自分に驚く枇杷。なぜ?
だが、考える余裕など与えない黒須の攻めが続く。

「ああっ!んぁっ!あっ!あっ!いゃっあっ!んっ!」

私を犯すのは私より強い男。黒須のような男。望んだ相手なのだ。
いつまで待っても私を打ち負かす男は現れなかったではないか。
強い黒須。きっと血の滲むような修練をしてきたに違いないのだ。

「(私と同じ。)」

大蛇の鋭い眼光が強さを増し、洞窟の奥底を貫く。
流れ出すものが増えた。森を満たす。

「望まない貴女を犯すわけにはいかないな」

攻めながら黒須が意地悪な目を向ける。枇杷の口を吸い、乳首をこね、茂みを大蛇に蹂躙させながら。その先に進もうとしないのだ。
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