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淫風の戦記
第3章 桔耶の誤算
「そうか。ここに住めば良いものを。名は?」
「キョウと申します」

祝宴は進み、夜が更けていく。

「キョウ、ついて参れ」

法眼は桔耶の腰を抱き、戊辰を見返すこともなく広間を離れ、斜向かいの部屋に入る。部屋は中央が襖で仕切られ、手前の間には既に膳が一つ置かれていた。
法眼は桔耶の腰を抱いたまま膳を前に座る。それ呼応するかのように、桔耶は膝立ちになり、置かれていた酒で酌をする。木で拵えた碗にゆっくりと酒を注ぐ桔耶。流れるような動きは気品さえ感じさせた。絹のスリットからは、絹より滑らかな肌が露われ、法眼の目を楽しませる。気品と無防備さが男を殺す。そのことを知り、操る桔耶であった。

酒が進むにつれ、腰を抱いていた手は下方に移動し腿をなぞる。桔耶はその度にさりげなく体を動かし、法眼に思い通りにはさせない。
が、焦らされる法眼も無理はしない。

「(ふふ、私に嫌われたくないのかしら?)」

桔耶には余裕がある。

「先程の祝宴で、王様の隣にいらっしゃった方はどなた?」

本題に入る。
王様と呼ばれた法眼はますます気分が良い。べらべらとよく喋る。戊辰は斗真の将軍であり、千を越える私兵を抱え、斗真国王を傀儡にして国を牛耳っている。先日の戦は戊辰の作戦だったこと、彼がしくじったせいで香羅を逃したこと、しかし今また新たに宇輪と戦う準備をしていること…。

「キョウも飲め。我が酌をしてやろう」

手を叩き、新しく酒を運ばせる法眼。それを桔耶の椀に注いでいく。

「ありがとうございます。いただきます」

法眼は桔耶が酒を飲み干すのを見届ける。

「おいしいお酒ですこと」

世辞ではない。酒豪の彼女は酒の味には煩い。満悦の法眼は、酒が茂里水軍秘伝の製法で作られていることを自慢し、宇輪の連中には決して作れまいと嘲笑した。
さらに桔耶の椀に酒を注ぐ法眼。

「有難うございます。王様も(私を酔い潰す気ね)」

法眼が膳の酒瓶を桔耶に渡し、自分の椀に注がせる。

相変わらず彼は桔耶の腰を抱き、腿を撫で、乳房の下まで指先を忍ばせ…捕らえ切れずにいる。
広間の宴も終わりに近づいたようだ。喧騒が静寂に変わりつつある。

二人ともかなりの量を飲んだ。

「(潰そうとしても無駄…適量くらい分かってるわ…小娘ぢゃないのよ)」
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