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第3章 桔耶の誤算

番頭から桔耶の狙いを聞いた戊辰は、彼女の心身を追い詰めて捕らえる方法を選んだ。彼女には、あえて作戦がうまく進んでいるように見せかけておき、徐々に焦燥感を与え、最後には淫乱の地獄に落として捕らえる。無力さを痛感し、絶望し、恥辱と屈辱が極まった桔耶は再起出来ないだろう。そこまでを計算していた。そのうえ法眼も満足するのだから、これ以上の上策はない。完璧なまでに策を実行した戊辰であった。

桔耶、峰島にて行方不明－。
桔耶の奉公人が宇和に知らせたのは陵辱から丸一日経った夜半のことだった。