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淫徳のスゝメ
第3章 私が最も華やいだ頃のこと





「一年のきよらじゃない。何でルームウェアなんか着てるの」

「これから眠るところですから」

「生意気!アゲマンの家畜が寝るのに、 全裸で十分でしょう」



 私は純潔を失った。

 いつ失ったかは分からない。

 ただ、ある時、三年生の寮室でいつものように性器を露出させられて、上級生ら十人に身体中を低温蝋燭に染められた。纏縛された私は身動きとれず、そうしてやはり彼女ら十人に、あの日お父様の股間についていたような形状の玩具で貫かれた。
 私は血を流さなかった。痛みもなかった。泣きながら許しを請った私の喉は、いつかのお姉様の上げていた、ふしだらな音色もこぼしていたのだ。


 お母様に電話をかけた。お父様とお姉様のお気に入りの家政婦達は、お母様が退院したことを伝えると、取り次がないで通話を切った。お母様に手紙を書いた。返事はなかった。



 お姉様達が発狂するまで、私は愛されることに慣れていた。


 彼らが私を愛するのには理由があった。


 少女らしくマナーを学び、子供らしく健全な趣味を嗜んで、お父様の力に頼ることなく、私学の中学校に受験で入った。制服をきちんと着こなして、学生らしく勉学に励んだ。大人達ばかりか、同世代の少女らも、私に一目置いていたのに。



 今やお母様だけが私の味方だ。美しく、正しいお母様だけが。
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