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淫徳のスゝメ
第3章 私が最も華やいだ頃のこと
「初めまして。仏野姫猫です。この度はお招きいただきまして、有り難うございます」
「こちらこそ有り難う。華城みゆきと申します。まづるに貴女のことを聞いた時は、夢だと思ったわ。姫猫さんは社交界でもしょっちゅうお話を聞く方だから、一度お会いしてみたかったの」
「光栄ですわ」
みゆきさんは、伝統ある社交クラブを仕切っているだけの貫禄があった。
切れ長の目許に奥ゆきある黒を湛えた双眸、健康的な艶肌は颯爽とした人となりをより引き立てており、肩にかかるシャギーの茶髪が、ユニセックスな彼女の容姿をいっそう垢抜けて見せている。七分袖のシャツにスラックス、一見簡素な装束は、生地も仕立ても見るからに良い。
「失礼します。ランチをお持ちしました」
ややあって、メイド達がカートを運び込んできた。
裏ももの付け根が覗こうほど丈の短い給仕服を着込んだ二人は、見たところ私達と同世代だ。
メイド達の内一方の、つぶらな瞳が懐こい小動物を聯想する、肩にかかる程度のソバージュの茶髪を二つに結った方が、脱衣を始めた。見事な肌だ。生娘のように初々しい曲線を描くメイドの身体は一糸まとわぬ状態になると、湯浴み後と思しき淡い血色が浮かんでいた。
裸体の少女は、長テーブルに横たわった。
残った黒髪のメイドの方が、カートを彩っていた品々を、彼女の肢体に並べてゆく。スコーンにラスク、果物のコンフィチュール、クロテッドクリーム、サンドイッチにカットケーキ、トフィー──…盛り皿となったメイドは端から見ると、彼女自身がケーキのようだ。コンフィチュールが彼女の乳首を垂れる度、肉叢のどこかがひくんとたわんだ。果肉入りジュレが彼女の恥丘に盛られるにつれて、いじらしい顔が紅潮した。黒髪のメイドは手際良く盛りつけを終えると、盛り皿の目路をアイマスクに覆った。