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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと
年の暮れ、私はお父様に連れられて、ある富豪の屋敷を訪った。それ以前にも幾度か顔を合わせていたそこのあるじは、贅を尽くした金色の浴室を私に自慢し、使用を許可した。
目を瞠るような個室で私は全身を洗い流して、バスタオル一枚にくるまって、会合の席へ戻っていった。
お父様、そして家主の富豪を含む、総勢十人の友人同士が談笑していた。
「お姫様がお戻りだ」
「相変わらず見事な仔猫ちゃんだ、さぁ、お姉様のお膝へおいで」
「いいや、わしの膝が先だ」
私は、一番に開口した田山誠子さんという市会議員の膝の上に腰を下ろした。
「ぁっ……」
結婚歴は二回、半年前に末っ子も独立したという田山さんは、私のウエストをお父様のように捕まえて、頬や首筋を物色し出した。私は田山さんのキスに身体をよじりながら、乾燥した指先が乳房を這うのに小さく喘いだ。田山さんの手のひらは、やはりお父様のように私を撫で回していた。