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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと


「っっ…………」

「腕をどけなさい」

「下着を着ていないんです」

「知ってるわ」

 私の身体をバスタオルが離れていった。

 メイド達、そしてお父様の目に触れることは茶飯事だった身体とは言え、シャンデリアの酒宴の場で、裸体になるのは初めてだった。

 私の僅かな劣情は、羞恥に埋没していった。

 田山さんはすっかり縮こまった私の胸中を知る由もなく、キスを求めた。


「ん…………」


 唇と唇を合わせる行為は私にとって、既に前戯の一環だった。


 私は口内いっぱいに残った田山さんの唾液を馴染ませる間もなく、彼らの酌に回った。ある女は私の唇から酒を啜ることを望み、ある男は私の生殖器にアルコールをかけ、それをしゃぶった。


 びくっ…………


「真っ赤になっているね……お嬢さん」

「ぁっ…………そ、ですか?平田のおじ様……」

「どれ、……」


 たぷん。


 某IT企業代表取締役の男の手が、私の乳房を揺らした。白髪の眉の下で見開く目が、尖った私のコットンパールを凝視していた。
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