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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと
「良い乳をしておる。胸を張れ」
「有り難うございます」
ぺちんっ…………
「痛っ」
「ほら、背筋を伸ばせ。堂々と立つんだ!」
「はい。…………」
「恥ずかしいのか?」
「はい」
「それはいかん。羞恥は悪だ。お嬢さん、裸になるということは、人間が人間であることを証す、重要にして道徳的な習慣だ。お嬢さんは睡眠をとるために、寝具に横になるだろう。食事をするために、口を開けるだろう。性欲を満たすために裸にならないで、どうして満足に三大欲求全てを満たすというのかね。考えてもみなされ。公共で裸になってはならないというのが、ケチな人間どもが捏造してきたモラルとやらだが、それを誰に正当と決める権利がある。大昔の人間など、裸も同然だ。裸体族は今もいる。それが着物を着るようになり、今や我々はアパレル業界の食い物だ。結局、わしらが洋服を着て得をするのは、商売人だけなのだ。お嬢さんの身体は美しい。そして淫らだ。ほれ……こんなにとんがっておる。薄毛にちらと見えるこのクリトリスの帽子など、……」
そう言って、男は私の陰毛をとかしながら、爪の先でクリトリスを器用にさすった。
「見せ歩かねば、宝の持ち腐れというものだ。そうだな、善民を自負する輩どもは、神を信じているだろう。その神は悪は戒め、善は勧めるものなのだろう?さすれば、まことに人目に触れてはいけないようなものを、神は人間に備えつけるか?裸が悪いものであれば、神は人間に洋服を着せたままこの世に送り出し、脱ぐことも出来ない仕組みにしていたろう」
「それにお嬢さん。脱がなくては快楽はいつまで経っても想像上にとどまるけれど、脱げばすぐに得られるわ。それも確かな快楽が」
男の隣で笑い声を立てていた、実業家の女が彼女自身のスカートを下ろした。女はストッキングを脱いで、艶やかな下半身に寄り添っていたパンティをめくった。