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淫徳のスゝメ
第4章 私が天涯孤独になったこと
ちゅ…………
私はきよらを適当に犯す片手間に、まづるのキスを味わった。
吸い合って、触れては離れて離れては触れて、すぐにまぐわう舌と舌。私達の手許で、水音を凌駕する振動音が嚶鳴し出す。
ぐちゅっ、ぐちゅ……ずぶ…………ずぶぶ…………
ヴィィイイィィィィン…………
ヴィィ…………ヴィィイイィィィィ…………
「ぁん、はぁっ、ぁむ……んん!…………」
恍惚とする意識に突き動かされるようにして、無味の甘い唾液を貪る。まづるさんの左手が、私の乳房を揉んでいた。私はきよらの脚を引っかく。私とてまづるに触れたいのに、この小便臭い女を押さえて性器を世話している所為で、両手が塞がっているからだ。
「貴女達」
「は、はいっ」
「まさか、私をきよらと同じ売女だなんて思ってはいないでしょうね?」
おとがいにこぼれた唾液を拭うことなく、私は笠野さん達を瞥見した。
五人は、私達の熱気に反比例して、おとなしくなっていた。落書きの手も休んでいる。
「そんなことありません!」
「滅相もありませんわ、まさか、ダサいきよらのお姉様が、姫猫様のように素敵な方だったなんて……」
「あの、それに……まづる様とおっしゃったかしら……」
いとけないながらに頬を染めるほど至心のこもった秋波。なかんずく杉本さんのまづるに対するそれは、私の疑心を晴らすだけの威力があった。