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淫徳のスゝメ
第4章 私が天涯孤独になったこと
お母様の号哭は、いつかの春先同様、否、あの時以上に耳に障る。
だが、まづるは、お母様から嬌音を引きずり出すことに抜かりなかった。
全裸の女は可憐な装束の少女に身体中をまさぐられ、強引で、それでいて至心の指使いによがり狂う。私の想像力も、あらゆる自涜を必して甘美な蹂躙に変換していた。
「ぁっ……たまらないわぁっ!ああっ……あああっっ…………」
私は、ちゃぷちゃぷと肉襞を割るきよらの舌を浅瀬に咥え込んだまま、果てた。
それから継子の私室のフローリングに水溜りをつくったお母様に、きよらに跨ることを提案した。
「ねぇ?どうかしら。まづるに抱かれて潮まで噴いたお母様だもの、大好きなきよらに舐めてもらえば、最高の快楽が得られるのではない?」
「やめて……姫猫……謝るわ、お母様が悪かった……。昔の優しい貴女に戻って…………」
「姫猫はいつだって優しいわ。気にすることないよ」
まづるの抱擁が、私をお母様から庇った。
私達はお母様をきよらの顔に跨らせて、瀕死の性具に今しがたと同じ愛撫を強いた。
ちゅるっ…………
「ああっ」
ちゃぷっ、てろっ、ぢゅるっ…………
私はお兄様の文机からペンを持ち出して、お母様のアヌスに挿した。
まづるはきよらの腹に乗り、お母様の乳房を遊ぶ。
互いに喘ぎ合いながらも、背徳に怯えるお母様ときよら。
私達は二人に諭した。
この世の正当は快楽だけ、物理的な充足だけ、お母様の危ぶむ不法もなければ、きよらの怖れる嚮後もない。
快楽、これにいかなる悪徳があるか。
百歩譲って、彼女らの妄信する繁殖が、セックスの目的なのだとする。繁殖を善行としているのと同時に、セックスを恥や悪としているのではちぐはぐだ。確かに、女と女とでは孕めない。それでは、私達が男であれば、お母様ときよらは歓喜するのか。