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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと
私とお父様の交際は、お母様ときよらの知るところではなかった。無知蒙昧を発揮して、私達をとやかく糾弾する彼女らの姿は目に見えていた。
お父様は口止めという口実の下、私に私が欲するもの全て与えた。
古い男の運転手を解雇して、代わりに二十代の美女を雇った。私の身の周りの世話をするメイド達に身長、体重の制限を設け、容姿や家事能力においても、優れた器量の女達のみを揃えた。
お父様は毎週私をアパレルショップに連れてゆき、最新のドレスや靴やらを買い与えた。兼ねてから私が贔屓にしているガーリー系のブランドだ。それまでもめぼしいものを見逃すということはなかったが、お父様はあれもこれもと、私の目のつけなかったものまで新調させた。
装飾品も、私室のインテリアも、夕餉前の暇を潰すための美少女も、私に対してお父様は金に糸目をつけなくなった。
私がある大会社の長女を欲した時は、お父様は裏社会のグループに根回しをして、その会社を負債つきで倒産させたものだ。私は晴れて与えられた彼女を一週間ほど楽しんだあと、翌年の春を補翼するブーケに加工して、看取ったあとも愛し抜いた。
お父様の入れ上げようは、私が破瓜を済ませて以降、拍車がかかった。
私はお父様の肉棒を受け入れて以来、寝室に招かれるのが億劫になっていた。
男の生殖器、あれは、造りの凝ったディルドに比べて形態こそ単純でも、私の窪みには大きすぎていた。口止めというのは根拠の断片、大半は、お父様が私の気持ちを繋ぎとめんとした苦肉の策だったのかも知れない。